(8月29日号)「広瀬淡窓の教育」 
今回は遅れました。8月末のはずが9月1日に書いています。遅延の理由は例によって旅です。大分に行っておりました。昨夜戻ってきましたが、羽田の滑走路が混んでいて、上空で30分ほど待たされました。夏休みの最後の日で混雑したのだとは思いますが、毎度こんな状況では困ったもんです。オリンピックなど開催できるのでしょうか。待機が長引いて、油が切れたらどうするのか、と心配しました。家人に笑われましたが、グルグルまわっている燃料だってもったいない。石油代が上がっているときに貧弱な空港ではコストがかかります。地方の空港でガラガラの滑走路があるのに、羽田は常にラッシュ状態、アンバランスですねぇ。
大分では日田広瀬家のことを調べてきました。一員が大分知事の広瀬勝貞さんですが、彼は苦労しています。前の平松守彦知事は全国でも有名な知事で、アイデアの人でもありましたが、調子にのっていろんなことをやりすぎ、残ったのが膨大な借金というわけで、廃止や縮小、立ち直しに追われています。平松さんは東京で名知事の評判が高いですが、地元へ行くとちがいますねぇ。6期もやっていたので独善になってしまった。長期はよくないし、相手が共産党だけの殿様選挙を やってきたので、だれも注文や批判をしなくなった。やはり激しい選挙は必要だし、3期くらいでやめるべきです。平松さんのツケを広瀬さんが懸命に払っているのが大分のいまです。
広瀬家には江戸末期の儒学者、淡窓がいます。日田で開いた私塾は門弟3,000人を超したといわれ、まさに全国から俊秀が集まって学を競った。当時の日田は最大の学都といってよかったのです。淡窓がすばらしいのは「三奪法」といって、地位、年齢、藩に関係なく平等に受け入れたこと、封建社会では珍しく、武士と農民、僧侶、医者などが同じ列に並んで講義を受けました。淡窓は大教育者だったと思います。明治以降の日田の小学校の原型が淡窓の塾にありました。もうすぐ安倍さんが総理になるでしょうが、教育が最大の柱になるでしょう。家族やしつけが強調されると思いますが、淡窓は手本になるかもしれません。
当面の予定ですが、9月16日(土)〜17日(日)。南房総市和田のネイチャースクール「実りの和田学」9月17日から飛騨市のそば祭り。9月28日(木)18:30、京王プラザホテル・43FでNPO「知的ねっと」の講座、ペマ・ギャルボさんの「ブータンの幸せ」。関心があったら私に問い合わせて下さい。

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【2006/08/29 Tue 02:58 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(8月22日号)「三田(さんだ)出身の北さんと会った」 
白州次郎の本を続けて2冊読みました。1冊は「風の男白州次郎」(青柳恵介著、新潮文庫)、1冊は「白州次郎占領を背負った男」(北康利著、講談社)です。青柳さんの方は白州次郎が亡くなって、いわば白州家及び友人、知人たちの公式の伝記として書かれたものです。当時は正子夫人も存命で、夫人がゆかりの人を紹介して取材したようです。
北さんには先日会ってきました。NPO「知的ねっと」の例会で講演を頼みに行ってきました。11月16日にお願いしました。場所は京王プラザホテルです。北さんは証券会社の部長ですが、郷土史研究と作家を両立させています。二つをこなしていくのは、休日と夜の時間の使い方のようで、講演も「終わったらさっと返してください」とのことでした。自分流を貫かないと二つをやっていくのは難しいでしよう。
北さんの郷土は兵庫県の三田(さんだ)市です。白州のおじいさんは三田の出身で、そこから白州次郎という人物を書く気になったと話していました。三田と、私の郷土綾部はともに九鬼藩です。三田が3万石、綾部が1万5000石ですから、三田の方が兄貴分ですが、家康によって海から山地に上げられ、二つに分けられたので す。同じ九鬼氏に治められた土地ですから、なにか共通点があるかもしれません。九鬼の鬼は“頭に角のないオニの字”を書いています。角(かど)のあるのを嫌ったともききました。
白州次郎の関連本は他にも何冊か出ています。戦前の大金持ちのお坊っちゃんで、私たちとはスケールがちがうという感じですが、「恒産なくして、恒心なし」といわれるように、何不自由ない生活をしてきただけに、プリンシプルを通せたのでしょう。北さんの本の帯には渡部昇一さんの言葉「贅沢な教育が、占領下の日本でアメリカにペコペコしない人物を生んだのだ」が引用されています。
テレビで、団塊の世代の定年後は「NPOとそば打ち」といっていたそうです。妻がきいて「洋(ひろし)さんがすでにやっていること」とつぶやいていました。そば打ちは下手くそで断念しましたが、そばの会はすでに10年を超えています。合併で新しく誕生した岐阜県飛騨市が9月17日からそばまつりを開催するというのでプロデューサーを頼まれ、かけずりまわっています。「岐阜県庁は裏金を焼却したところ」といったら市の関係者は「飛騨は気風が違います。むしろ富山県に近い」と抗弁していました。

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【2006/08/22 Tue 03:00 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(8月15日号)「FAXがとまった」 
14日の東京大停電は実害は少なかったものの、大都会のもろさ、死角のあることを教えてくれました。私は8枚の原稿を出版社にFAXしている最中。最後の8枚目がスタートするばかりでとまってしまいました。電気がとまるというのは電話がとまるということでもありました。テレビも当然ストップ、情報がまったくなく携帯電話で問い合わせようとおもっても通じず、不安な時間がすぎました。クレーン船のクレーンが送電線に当たって二本切ってしまったのが原因でしたが、現場で働く人のちょっとした不注意が大停電につながる。先日のプールの吸い口に吸い込まれて女の子が亡くなったのも監視員のちょっとした不注意が原因でした。
現場の先端部分を守っている人が職務に忠実で優秀というのが日本の強味でしたが、そこがゆるんでいるのではないか、そんな心配があります。新聞記者はスランプになると現場へ行けといいます。捜査一課の刑事は現場100回と教えられます。企業の不祥事では現場の声が届かなかったといわれます。「現場が大事」となにかあるたびにいわれているに現場を ますます軽視しているのではないですか。
農業や漁業を大事にしない、軽視するからどんどん離れていく、脱けていく。大事にされるのはバカばなしをするテレビタレントであったり、口先で歌うシンガーだったり、大体価値がさかさまです。
小泉さんが靖国神社参拝を強行しましたが「もう、勝手にせい」という気持になります。8月15日は自宅の自室にこもって鎮魂の時間を送るのも慰霊のやり方です。日本では明治以降の戦争の歴史を教えず、中国では平和な日本の戦後を教えない、双方のすれちがいがさらに深くなり、戻るのが遠くなる。小泉という人は個人の心ばかり大事にしますが、国のカジとりをしているという意識、己の心情を殺す美学は見えないのでしょうか。
9月28日(木)18:30ペマ・ギヤルボさんの講演会、京王プラザホテル43F。軽食パーティつきで会費6000円。小生が理事長を引き受けたNPO「知的ねっと」の主催です。ぜひ予定に入れておいて下さい。

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【2006/08/15 Tue 03:01 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(8月8日号)「川が好き 川にうつった空も好き」 
暑いです、喫茶店に逃げこんで、この原稿を書いています。暑中見舞いのハガキをもらった中に「よく、あっちこっちに行ってるね」と書いたのが数通ありました。このコラムの愛読者です。
今週もそこから書きはじめると水、木は京都、豊橋でした。京都は盆地なので夏は蒸すし、冬は底冷えという、からっとしない天候ですが、まつりの人が引いた感じでした。夏休みなのに、あまり子どもの姿も見ませんでした。新幹線も客が少なく、人はどこに隠れたのか、と思いました。京都ではガーデンパレスに泊まります。私学共済の経営するホテルで、ここがお好みなのは1.ガーデンというだけあって庭園がある。1.部屋の照明がよく、デスクで原稿を書きやすい1.安い、の3点からです。近くに御所があって、朝、夕散策するのもよろしい。東邦大の先生をして私学共済の世話になることになったのです。
豊橋はNPOの取材でした。ここにはまだ路面電車が走っています。あいにく目指す場所はバスかタクシーしかダメで、乗れませんでしたが。豊橋創造大学の寺本和子先生にNPO「朝倉川育水フォーラム」の取材をしました。このフォーラムは商工会議所が100周年記念の事業としてはじめたそうです。環境問題に目をつけて組織をつくり、すでに10年がたっています。直線になっている川を蛇行させたり、まわりに木を植えたり、昔の川に戻す作業を市民に呼びかけてボランティ アでやっています。寺本さんたちは子どもを水に入れたいと考えていますが、川で泳ぐところまではいっていません。せめて水遊びをと目標を定めています。「川が好き、川にうつった空も好き」が昨年の国土交通省の標語でしたが、川遊びの楽しみを子どもに伝えたいですね。危険は水につきものですが、安全なやり方は工夫すればできます。プールが安全と思っていたらいろんな欠点が見つかりました。自然の中で、危険を察知し、そこから逃げる方法をおぼえるのが必要です。もちろん絶対安全の手だてを大人たちが構築した上での話しですが。
9月16日(土)〜17日(日)、「実りの和田学」をやります主催はNPOネイチャースクール、NPOネイチャースクールわくわくWADA。16日は内房富浦でアジ釣り体験、17日は稲刈り、イモ煮会、栗ひろいなど盛りだくさんに、秋の味覚を釣り上げます。ぜひご参加下さい。募集中
もう1つPRです。9月28日(木)18:30から京王プラザホテルでNPO「知的ねっと」の第1回の例会を行います。43Fの「スターライト」という部屋です。講師はペマ・ギャルボさん、テレビでコメントをきいたことがあるはずです。チベット生まれで仏教にくわしく、国際情勢の分析に独特な解説ができます。軽食のパーティつきで会費6000円。自然の中で収穫の喜こびにひたるのと、超高層のビルに囲まれ世界を考えるのと、2つのNPO活動、どうぞ気軽にお出かけを。

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【2006/08/08 Tue 03:02 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
(8月1日号)「漁師をサカナに」 
大野一敏さんが船橋漁業組合長になったので、漁師を肴にして祝う会が船橋でありました。大野さんと私の縁は東邦大学教授のとき環境学の講師としてよんだことからです。「漁師を釣り上げた」次第です。大野さんの講義は名調子で、学生が「先生、大野先生は本当に漁師さんですか」とききにきたくらいです。講座の最終は学生を自分の船に乗せて東京湾を一周、でした。感想をレポートに書かせて単位を与えたのですが、40人の定員が毎回満杯でした。いきのいい極上の講師だったといまでも思っています。
大野さんはNPOを組織して三番瀬を守る活動をしていました。海を生かした町づくりにも熱心です。船橋に「フィシャーマンズワークをつくりたい」といっています。大野さんはイワシを多くとっていましたが、いまは不漁だといいます。「クジラのせいか」ときいたら「?」と首をひねっていました。この秋、どれだけとれるか、が勝負でしょう。「とれたら連絡してね」と頼んでおきました。
イワシは大好きです。もっととれて、子供だちが食べると、骨格づくりにもよろしい。船橋には大野さんの船「太平丸」のイワシを食べさせる店が何軒かあります。一尾1,000円ともいわれているいま、どうしているのか。1,000円のイワシはちょっと食べる気がしませんねぇ。船橋は50万人近い大都市ですが、気さくな下 町の雰囲気もあります。大野さんともう一度町づくりを語り、実現させたいなあ、と思いました。
文化放送が四ツ谷から浜松町に移転し、すでに新社屋から放送を行っています。社屋は浜松町駅北口の前で便利がよろしい。12階建てで、11Fのスタジオからは芝離宮庭園やその先に海が見えます。羽田に近く、港に近く、JRにも近い。まさに陸海空と接している地点です。先日、新社屋ではじめての放送審議会がありました。ここの審議会はどこの放送局より議論の中身が充実しており、取り組む姿勢が真面目と自負しています。先日は「キンキンのサンデーラジオ」を審議しましたが、キンキンこと愛川欽也さんは72歳。リスナーといっしょに年輪を重ねたパーソナリティです。
小池民男著「時の墓碑銘(エピタフ)」を読み終えて、言葉の持つ重さ、深さに打たれています。小池さんは朝日新聞のコラムニスト、「天声人語」を書いていたことがありますが、この4月ガンで亡くなりました。59歳。これだけの学識と文章力を持った記者はいるだろうかと思います。とくに文章力(名文)は新聞、雑誌から消え、絶滅寸前です。「文章のうまくない記者は信用しない」といった先輩がおりました。私は取材が十分にできれば、よい文章が書けると信じています。小池さんは恐らく取材でも秀でていたのでしょう。

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【2006/08/01 Tue 03:03 】 | 四方洋のコラム | comment(0) | trackback(0) |
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